夫が転勤することになった。
私も仕事を辞めて引っ越さなきゃ。
新しい地ですぐに再就職できるかな…。
今まで2馬力で働いていたけど、
しばらくは夫の給料のみで生活しなきゃ。
お金の面でも不安だなあ…。
失業手当ってどうすればもらえるんだろう。
自分の都合で辞めた人となにか違いがあるのかな?
結論、失業手当を受給でき、「特定理由離職者」に該当します。
家族が急に転勤することになると、引越しの各種手続きや退職準備などやることがたくさん。
引越し先で再就職できるのか。
再就職するまでの生活費は足りるのか。
心配事がつぎつぎと浮かんできて、不安ですよね。
結婚・夫の転勤で失業手当を2回受給している私、遠藤たまこが解説します。
- 失業手当とは
- 家族の転勤による退職は「特定理由離職者」になる
- 特定離職者のメリット
- 失業手当給付までの流れ
失業手当とは
失業手当とは、失業中の生活の心配をせず新しい仕事を探し、1日も早く再就職をするための支援として給付されるものです。
正式には雇用保険の求職者給付における「基本手当」といいます。
ただし、受給するには「働く意思」があることが前提です。
働く意思があり、退職日以前の2年間に雇用保険の加入期間が12カ月以上ある場合、失業手当を受給できます。
したがって、下記のような場合は失業手当を受給できません。
- 病気やケガのため、すぐには就職できない
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない(※延長措置あり)
- 退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができない
家族の転勤による退職は「特定理由離職者」に該当する
家族の転勤による退職は、「特定理由離職者」に該当します。
特定理由離職者とはなにか、解説していきます。
特定理由離職者とは
「特定理由離職者」とは転職などの自分の都合ではなく、やむを得ない理由で退職した人のことです。
倒産や解雇など、再就職の準備をする時間の余裕がなく退職を余儀なくされた場合は「特定受給資格者」といいます。
どちらも自分の都合による退職ではなく、やむを得ない事情があるので手厚い保護を受けることができるのです。
特定理由離職者の要件
以下のような理由で退職した場合は、特定理由離職者となります。
- 希望したにもかかわらず、契約更新がされなかった
- 妊娠、出産、育児等(※受給条件あり、延長措置もとれる)
- 体力の不足や病気、心身障害等
- 結婚、家族の転勤や再就職で通勤不可能になった
上記の場合は自己の都合ではなくやむを得ない事情があるため、特定理由離職者にあたります。
つまり、家族の転勤を理由に退職した場合は「特定理由離職者」です。
特定理由離職者のメリット
特定理由離職者に認定されると手厚い保護が受けられます。
具体的にどんなメリットがあるのか解説していきます。
給付制限期間がない
転職などの自分の都合で退職した人は、失業手当の申込をしてから入金されるまで2カ月の給付制限期間があります。
つまり、その2カ月間は収入がないことになるのです。
しかし家族の転勤などによる特定理由離職者に該当する場合、2カ月の給付制限期間はなく、すぐに失業手当を受給することができます。
(※自己都合退社の場合も特定理由離職者の場合も7日間の待期期間は同様にあります。)
引越し後は各種手続きに追われ、また必要なものも買い足さなければなりません。
給付制限期間なく失業手当を受給できるのはありがたいですね。
雇用期間が短くてもOK
通常、失業手当を受給するには「退職日以前の2年間に、雇用保険の加入期間が12カ月以上あること」という条件があります。
しかし特定理由離職者は、「退職日以前の1年間に、雇用保険の加入期間が6カ月以上」で受給できます。
家族の転勤スパンが短い人は助かりますね。
実際に私も再就職して11カ月で夫の転勤が決まり退職しましたが、特定理由退職者として失業手当を受給することができましたよ。
国民健康保険料の負担軽減
失業手当を受給している間は、健康保険は自身で国民健康保険へ加入が必要です。
家族の扶養には入れません。
(※失業手当の基本手当日額が3,612円未満の場合は扶養に入れます。)
就職しておらず、収入が失業保険だけでは国民健康保険料の支払いもかなりの負担ですよね。
しかし特定理由離職者の場合、国民健康保険料の負担が軽減される措置があります。
国民健康保険料は前年の所得などにより計算されます。
前年はしっかり働いていた人も多いはず。
今は収入がなくても前年の所得を基準に計算されるので、たくさん働いていた人は高額な保険料を請求されてしまいます。
しかし、特定理由離職者は軽減措置によって、前年の所得を30/100とみなして計算してくれるのです。
例えば、前年の所得が300万円だった場合
所得を90万円とみなして健康保険料を計算してくれます。
これは非常に助かりますね。
軽減措置を利用するには、住所のある市役所で手続きが必要です。
その際はハローワークからもらう「雇用保険受給資格者証」を提出してください。
※具体的な軽減額などは、お住まいの市町村へ問い合わせてください。
失業手当受給までの流れ
ここまでは、下記について説明してきました。
- 家族の転勤による場合は「特定理由離職者」にあたる
- 特定理由離職者のメリット
ここからは、実際に受給するにあたって必要な手続き等について説明します。
ハローワークへ受給申請
まずは、現在住所のある管轄のハローワークへ申請が必要です。
必要書類を持参し、受給資格の確認・決定を受けます。
必要書類は以下のとおりです。
- 離職票-1
- 離職票-2
- マイナンバーカード(ない場合は通知カード、またはマイナンバーが記載されている住民票)
- 身分証明書(①または②のいずれか)
①運転免許証、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)いずれか1点
②健康保険証、年金手帳、淳民票記載事項証明書、公共料金の領収書 いずれか2点 - 写真2枚(タテ3cm×ヨコ2.4cm)
- 本人名義の通帳またはキャッシュカード
加えて、家族の転勤による退職で失業手当を受ける場合は、転勤が証明できるものが必要です。
実際に私が失業手当を申し込む際に管轄ハローワークへ確認したところ、
辞令等のコピーが必要とのことでした。
しかし、最近では辞令を紙媒体で発行していない会社もあるため、
辞令がない場合は「〇月〇日から△△支店へ異動」という文言の記載がある
上司からのメールのコピー等でも対応しているそうです。
転勤の証明として何が有効なのか、申込みに行く前に管轄ハローワークへ確認してみてください。
雇用保険説明会へ参加・認定日
失業手当の申込をすると、雇用保険説明会の日時が案内され、出席をします。
雇用保険説明会は基本的には管轄ハローワークで行っていますが、
コロナ感染対策としてオンラインで行っているところもあります。
実際に私も1回目の失業手当受給時はオンライン、2回目の受給時はハローワークで説明会に参加しました。
その後は、4週間に1度ハローワークへ求職活動の報告に行きます(認定日という)。
そこで認定をされると、ついに失業手当がもらえます。
通常は4週間に2回以上の求職活動をし、活動実績を報告しなければなりません。
しかし特定理由離職者の場合、初回認定日は1回以上の求職活動をすればOKです。
(※2回目以降の認定日には2回以上の求職活動が必要)
また、雇用保険説明会への参加は活動実績として認められています。
つまり、初回認定時は実質求職活動は不要です。
求職活動実績については、別途記事を執筆予定です。
まとめ
この記事では、以下について解説しました。
- 家族の転勤による退職は「特定理由離職者」に該当する
- 特定理由離職者のメリット
- 失業手当受給までの流れ
引越し後は、各種手続きや新生活準備で忙しいことでしょう。
失業手当を受給することによって生活費等の心配なく、安心して就職活動に臨めます。
家族の転勤による退職の際は手厚い保護を受けられるため、失業手当の申込時に「特定理由離職者」の申し出を忘れずに。
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